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日本の国が公に転職を認めたとも言えるのは、今から25年ほど前の1990年代の後半に職業紹介、つまり人材紹介の門戸を開いた時からと考えています。

それ以前は人を紹介して対価を取ることは実質禁止されていたのですから真逆の転換でした。

しかし、それからしばらくは転職は増加していても、企業内での転職者の評価は低く、いわゆるプロパー社員の下に置かれている印象がありましたが、７年ほど前に内閣府が「プロフェショナル人材事業」と言う地方への転職支援事業を始めてからは首都圏と比べて保守的な地方企業側の転職者の受け入れ意識も徐々に変化しています。いえ、もう人材紹介による中途採用は当たり前とも言えるほど激変したと言ってもいいと思います。

企業が転職者を受け入れる理由は二つあります。

一つは言うまでもなく人手不足対策です。この場合は比較的若手や現場人材に近いところでのニーズですが、退職者の補充などでは中堅人材も時々あります。

この理由での中途採用は必要に迫られてかなり昔からあったと思います。


20数年前から人材紹介が始まり、７年前の内閣府の事業で決定的になった二つ目の理由は、企業の弱み対策や変革、成長を見込んだ今まで社内に居なかった能力のある人材の採用です。


この人材こそ近場や無料のハローワークで探すのではなく、極端に言えば全国から相応の対価を払ってでも採用することで企業は時間やチャンスを買うことができるようになりました。

今、みなさんは転職者としてこの二つの目的のどちらか（複合された場合もあるが）のニーズにより転職を考えています。

転職者としては、このニーズにいかに自分の能力が合致しているかを判断しなければいけません。

また、転職によるメリットやデメリットを考えてその先にどんな未来があるかを想像することも必要です。


しかし、ここで大問題になるのはそうした判断をする材料が圧倒的に不足していると言うことです。

ホームページをみても、何度面接しても全てをわかることは不可能です。

簡単に言えば、「入社して働いてみなければわからない」と言うことです。

転職者の皆さんからはこの点に不安を覚えるわけですが、一方で企業側にもその裏返しの不安があります。

高い人材紹介料を支払って、年収も最初からそこそこ約束して採用することにしたが、果たして期待以上に活躍してくれるのか？と言うことです。

履歴書や面接で確認してもこのミスマッチは企業側でもかなり経験しており、慎重にならざるをえません。


こうした両者の不安を解消するための方策は唯一話合うことです。面接ではなく、入社をほぼ決めた段階でしっかり前向きに話合うことでお互いが未来を創り上げる努力をすることです。

こうしたことを人材紹介会社のエージェントが如何に取り持つかが、今後重要になってくると思います。

企業側も面接後の内々定と言われる口頭で採用の意志を表明したあとに本人としっかり条件や採用後の期待について話合う場を設ける努力が必要になります。

転職者として考えておかなければ行けないことは、こうした話合いは必ずしも約束ではないと言うことです。

先程も書いたように転職者の能力や実力発揮具合により、未来は無限に変化すると言うことです。

あまりに神経質な対応は転職には不向きです。

転職は双方に取ってリスクのある未来への投資だと理解することが必要です。

慎重になり、約束を取り付けようとすることは企業側には更なるリスクと感じられ、内々定の取り消しもあり得ますし、この時の話方であなたの人間性にダメ出しされることもあります。

企業側の期待値に応える度量（考え方と会話力）が求められます。

せっかく掴んだチャンス。

あなたの未来をあなた自身が創ると言う意識で転職に取り組んでいただきたいと思います。





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